「え…オリの中からワタシの下っ腹見て、お兄ちゃんちょっと引いてない?」
違うの。
魔女は、お兄ちゃんを太らせてから食べようとしてるの。
だからワタシ…
お兄ちゃんが太らないように、ワタシが代わりに全部食べてるの!!
― これは、そう。愛の犠牲ってやつなんだよ。
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子どもの頃は「いっぱい食べる子ってかわいいね」って言われた。
ごはんをおかわりすると、大人たちが笑ってくれた。
小さな体にいっぱい詰め込んで、「元気な証拠だね」って。
でも気づけば――
スカートのウエストが、閉まらない。
ボタンが飛ぶんじゃないかってくらい、ぎゅうぎゅうで。
成長って、なに?
私、どこに向かって進化してるの?
下半身だけ、異常進化してない?
原因は…甘いものだけじゃなかった。
冷えも、姿勢も、運動不足も、呼吸の浅さも。
じわじわと溜まっていったその結果が、今ここに。
ふともも、ヒップ、下腹部。
スカートに裏切られて、ようやく気づく。
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魔女をカマドで燃やしてる場合じゃなかった。
燃やすべきは、自分の脂肪だったのよ。
― でもその前に、まずリンパと筋肉、ほぐしてこ?